有明海冬麗
/ 九州/ 熊本
博多での出張を終えた週末、足を延ばして熊本へと向かった。その道中、ふと立ち寄った有明海の岸辺で、大潮の引いた海と出会った。私は通常「絶景」だけを追うことは少ないが、潮が大きく退いた広大な干潟と、果てしなく空が映る浅い水面の奥行きに息を呑んだ。
有明海は九州の西側に広がる内海で、日本でも最大級の干満差を持ち、大潮時には潮位の差が約6メートルに達することがある。その結果、満潮時とは一変し、海底の広い泥の干潟が遠くまで姿を現す。こうした潮の大きな動きは、島原半島や筑後川をはじめとする多くの河川からの堆積が生んだ浅い海底の形状と、月と太陽の引力が織りなす複雑な潮汐のリズムによるものだと言われている。この満ち引きが生む光景は、海と大地、時間の重なりを体感させる圧倒的な“間(ま)”を持っていた。
今回のこの光景は、その撮影のために行ったものではなく、期せずして出会ったものである。今回この光景に出会い、有明海に大変に興味を持った。今回の撮影は八代市の北側のごく一部分で行った撮影だが、再度訪れて違う場所、違う季節、違う光で撮影し作品としてみたい。