秋黴雨 Forest in the rain Ⅱ
/ landscape
秋黴雨と書いて「あきついり」と読む
「雨が降る」ことは日本では日常である。統計によれば東京では年間90日から110日くらい雨が降るとのことで、この雨が日本の四季、自然を豊かなものにしていることは間違いない。季節にはその季節の雨が降る。五月雨(梅雨)は真夏を呼ぶ雨であり、時雨は冬、春雨は春の季節感を感じさせる雨に他ならない。 秋には、同じように季節を変える雨が降る。秋霖、秋黴雨(あきついり)は秋に降り続く長雨で季節を晩秋へと導く。私が風景写真の撮影地としている志賀高原は、9月中旬まで暑さが続いた一方で9月終わりから10月初旬に雨の日が多かった。その中で木々は紅葉し始めている。この高原の季節を変えていく雨を、水をモチーフに、また背景に撮影した。この雨が終われば紅葉は一気に最盛期となり、そのあと季節は足早に初冬へと進んでいく。