これは写真作品とは呼べない。　表したい何かがあり（制作意図）作った作品ではなく「こう撮ったらこう撮れた」という実験である。
以前コンセプチュアルな作品を作ってみたいと思い、レンズのフィルターに脂質のようなものを塗って撮ったたことがあった。　何回か試行錯誤をしたものの結局思い通りにはいかずやめてしまった。　わざとらしい写真になったことと、絵作りが全くコントロールできなかった（要は撮ってみないとどのように撮れるかわからない）ことにある。円形フィルターは、そこに思い通りに薬剤を塗布するにはあまりに小さく結果品質が定まらない。
そのような経緯でそのままになっていたが、最近H&Yのフィルターの広告を見て「長方形プレートのフィルターであればある程度思い通りの塗布ができるのではないか？」と思いつき、早速同じ大きさの透明アクリル板をオーダーしワセリンを薄く塗って撮ったところ以前とは違いある程度画像がコントロールできた。ただ、塗り方にコツがあり簡単ではない。
なんの制作意図もないので作品ではないが、今後の作品制作において、このような技法が使える時があれば使ってみようと思う。